オリジン

緑が渦巻く大自然のまんなかで
人知れず、大好きなピアノを弾き、絵を描き、
曲を作り、歌をうたっていた子供時代。
寒い冬が来ると
明け方に築200年近い土蔵の酒蔵から
聴こえて来る酒造りの唄。
それは荘厳な、そして幻想的な響きをもつ
日本音階の単旋律。
そんな蔵人が毎朝、
酒蔵で歌う仕込み唄の音楽を目覚まし時計がわりにし、
蔵人との料理、蔵人手製のぶらんこ、
とれたての青々しい野菜、
女将がたてる薫り深い珈琲。
そこで迎える一日は眩しいほど美しく、
そして優しい世界そのものでした。

子供ながらに蔵の手伝いをしながら
ものを生み出すスピリットも
目に見えないものを大切にする心も
蔵人から少しずつ、自然に教わっていたこと。

呉服屋から嫁いで来た祖母に
昔ながらのものの大切さを教えられ、
道楽者の父に連れられ、幼少の頃から
なうての板前達と交流した生活。

音、味、素材、文化、しきたり、そして遊びと、
ごく自然に触れていた生い立ちの中で
本物を見極める力、感覚的、直感的世界というものを
身につけていきました。

湧水郷、山麓、作物を作る仲間達、そして蔵人。
大自然を母とした造り酒屋の、
ものを生み出そうとする感覚的な毎日の暮らし。

音楽家/かの香織=蔵人/泉薫子のクリエイター魂、
もの作りの全ての原点が、
まさにこの特殊な環境によって生まれたのです。

泉が湧きいでる湧水郷にひっそりと構えた
江戸時代から続くこの小さな田舎の造り酒屋の生家からは
その昔、斎藤茂吉率いるアララギ派に属した女流歌人 原阿佐緒や
俳優、映画監督、文学者を血縁として生み出しています。

クリエイターの巣窟、ともいえる酒蔵から
今日も 音楽家/かの香織=蔵人/泉薫子は
自分自身、そして誰かのために
豊かな大自然からうけとった、他が真似できない
極上の音楽や酒を
日々、創りだそうとしています。



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